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日常(62)     そのた(6)    
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2014.03.11   comment (0)
けれどたぶん三角関係にはどうがんばってもならない
(krk/突然の秀徳で(たぶん)高尾)

「・・・キセキの世代に媚びて、それで? それでレギュラーを取れるほど、秀徳高校のバスケ部は甘い練習をしていたの?」

耳に飛び込んだその声は、特に凛とした声だったとか、強い口調だったわけではない。
静かに滔々と、思ったことを語っただけというようなものだった。
けれど、その流暢さが、揺るぎのない信念を持っていることを表してもいた。

「違うよね。レギュラーのみんなは血反吐はいてるよね。全部実力なんだよ。・・・3年にもなって、そんなことも分からないなんて、貴方に限って、そんなことはないよね」

そこでやっと、彼女が先輩だったことを知った。
言われっぱなしの相手は、確かに自分が所属しているバスケ部の先輩だった。
一瞬の沈黙が落ちて、「お前に何が分かるんだ」と、男の先輩が搾り出すように言った。
そして「分からないよ」と、少しも堪えた様子のない口調で彼女が返した。
立ち聞きの趣味はないと早々に立ち去ろうと思っていたのに、ここまでスッパリと切り捨てるような言い方をする人間も珍しいものだと、つい足が止まる。

「どんなに足掻いても超えられない天才っていうのは、どの世界にも存在する。そして超えられないのなら、並ぶしかないんだよ。けれども、それすらしようとしなくなった貴方に、彼らを貶めることはできないのは、本当はもう、判っているんでしょう」

ふと息を漏らす音が聞こえ「・・・貴方は見かけによらず、賢明だから」と続いて凪いだ声がする。
互いに激昂することはなく、やはりただただ静かだった。その空間だけがしんとしていて、男の先輩が腿の横で拳を握り「やっぱりお前は分かってないよ」と苦しげに言った。「そうだね」と、彼女はなお堪えた様子もなく、表情を変えないまま返していた。
ため息が落ち、そして次に聞こえてきた声に耳を疑った。

「別れよう」

二人が同時に息を吸い、その言葉は重なった。それに二人とも少しだけ驚いたようにみじろきをして、ようやく微笑し合った。ひたすらに静かだった空間がわずかに緩む。

「まぁ分かっていたことだね」

平然とした様子の彼女と、それに苦笑する男子の先輩。

「俺は・・・それでもお前のこと好きだったよ」
「それは、ありがとう」

ひどくさっぱりとしていて、なんの未練もないことを示しているような態度だった。男の先輩は、それ以上言い募っても無意味であることを悟ったのか、その場を後にするような、遠ざかる足音がする。
そしてそのとき、清々しささえ感じさせた別れ話をしていた彼女が、どんな人間なのか気になった。
それは単純な興味だった。もうちょっとちゃんと顔が見れればいいなと、隠れていた木陰から身を乗り出して。
そして息を呑む。



泣いていた。

彼女は、声も上げずに、相手が立ち去ったほうを見詰めながら涙を流していた。
泣き方も静かなのかと、妙に感心してしまったのがどうしてか印象に残っている。

そしてそれが、オレが先輩を初めて知った瞬間だった。




書き始めたときは、というか妄想していた時点では付き合っていた設定なんぞまったくなく、ベタ?に悪口を言って屯っていた輩に主人公が冒頭のことをいい、逆切れから殴られそうになったとこを助けられるという(しかも助けるのは緑間くんの予定だった)話だったはずなのにどうしてこうなった。
相棒の悪口なんかざら(しかしそれ以上に自分の悪口もざらである)なんで聞き流そうと思っていたのに正論を平気で言っちゃう(武器にしちゃう)主人公にちょっと食指を動かされる緑間君と、淡々とした雰囲気やズバッとした物言いがちょっと緑間に似た変人さが有って興味を持っちゃう高尾というそんなチャリア夢みたいな。どっち落ちかは知らないけどね!!

黒バスを読み返していると色々と妄想が捗ってつらいです。

それはそうと、久々に更新しましたがやっぱり最初のアップロードでリンクをミスったりしているので各ページ更新は必須です。毎度すいません。お願いします。

4月から忙しくなるのは目に見えているので今のうちに書いておきたいのだぜ・・・。
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